転勤のたびに悩むのが「住民票、どうする?」という問題です。特に子育て世帯にとっては、保育園・小学校・医療費助成など、住民票の所在地によって大きく変わる行政サービスが多数あります。
この記事では、転勤5回・平均在任5年の私が、実体験を踏まえて「住民票を動かすべきかどうか」を子育て世帯目線で徹底解説します。
1. 住民票とは?

住民票とは、「住民として登録されている場所」を示すものであり、住民基本台帳に記録された内容を証明する公的書類です。主に以下の場面で重要になります:
- 保育園・幼稚園の申し込み
- 小中学校の学区決定
- 医療費助成制度(乳幼児医療証など)
- 選挙の投票
- 行政サービス全般(地域ポイント、ゴミ出しカードなど)
2. 法律的にはどうなってる?住民票を動かす義務はある?

住民基本台帳法では、転居してから14日以内に新しい住所で転入届を提出する必要があると定められています。
住民基本台帳法第22条:住民は住所を変更したときは、14日以内に届け出なければならない。
しかし実際には「生活の本拠がどこにあるか」が判断基準とされており、単身赴任などで実態として家族が旧住所に残っている場合は、転出届を出さなくても違法とはされません。
3. 住民票を動かすメリットとデメリット
メリット | デメリット |
---|---|
行政サービスが受けやすい(保育園、医療助成など) | 手続きが面倒 |
新しい地域で選挙権が得られる | 元の地域の選挙に参加できなくなる |
地域に根ざした支援が受けられる | 扶養や住宅手当など会社規定に影響がある場合も |
4. 転勤族あるある|住民票、どうしてる?
転勤を繰り返す家庭では「毎回住民票を動かすのが面倒」「保育園があるから動かした」「住宅手当が変わるから動かせない」といった声がよく聞かれます。私自身は5回の転勤で、基本的にはすべて住民票を変更しました。その理由は:
- 子どもが保育園や学校に通うため
- 医療費助成制度の適用
- 各種書類や本人確認の手間軽減
5. 子育て世帯にとって重要な視点
- 学校・保育園:基本的に住民票がある場所が学区となります
- 医療費助成:市区町村によって内容が違い、住民票がないと対象外になる
- 児童手当:申請は住民票のある自治体で行う
6. 転勤時に住民票を動かすかどうかのチェックリスト
- 家族帯同か?単身赴任か?
- 子どもが転校・転園するかどうか
- 住んでいる期間はどのくらいか(目安:3年以上なら動かす)
- 行政サービスを利用する予定があるか
- 勤務先の手当・規定に影響するか
7. 判断ポイントまとめ|住民票を動かすべき人・動かさない方がいい人

動かすべき人 | 理由 |
---|---|
家族帯同での転勤 | 子どもの学校・保育園・医療費助成などのため |
3年以上の転勤 | 手続きの手間より生活の安定を優先 |
生活の本拠が完全に転居先 | 法律上の適正な届出が必要 |
新しい地域で選挙に参加したい | 選挙権は住民票所在地で決まる |
動かさない方がよい人 | 理由 |
---|---|
単身赴任 | 生活の本拠が旧住所にあるため |
子どもが受験・進級を控えている | 学区変更や転校を避けるため |
会社の住宅手当などに影響がある | 住民票変更で不利になるケースあり |
数年以内に元の場所へ戻る見込みがある | 二重手続きの手間を避ける |
8. ケーススタディ|住民票判断に迷った4つの家族の選択
ケース①:保育園申請で動かした家族
Aさんの家は第2子の認可保育園申請のタイミングで転勤。住民票をすぐに新居へ移したことで、スムーズに入園でき、医療費助成や子育て支援も受けられました。
判断ポイント:保育サービスの利用優先で「動かす」選択が有利
ケース②:住宅手当維持のため動かさなかったBさん
Bさんの勤務先では、住民票のある家に家族が住んでいることが住宅手当支給の条件。単身赴任のため、自分だけが転勤先に住み、家族と住民票は旧住所に維持。
判断ポイント:会社規定を重視して「動かさない」判断が功を奏したケース
ケース③:中学受験を控えたC家族
Cさんの家庭では、長女が中学受験を控えていたため、転勤しても家族は旧住所に残る選択。受験や学区を変えたくなかったため、住民票も旧住所にそのまま。
判断ポイント:子どもの精神的安定と進学対策を優先して「動かさない」選択
ケース④:転校手続きの混乱で苦労したCさん
Cさんの家族は転居してすぐに住民票を移さなかったため、小学校の転入手続きで混乱。最終的に手続きのやり直しで3週間のタイムロス。
判断ポイント:学校手続きには住民票が必須。「動かす」タイミングが遅れてトラブルに
9. よくあるQ&A:住民票を移さないのは違法ですか?

A:生活の本拠が旧住所にある場合は違法ではありません。
単身赴任など、家族が旧住所に残っている場合は、住民票を旧住所のままにしても問題ありません。
ただし、明らかに転居しているのに放置したままにするのはNGです。
Q2:転入・転出手続きに必要な書類は?
A:以下が必要です。
- 転出届(旧住所の自治体に提出)
- 転出証明書(旧自治体から発行)
- 転入届(新住所の自治体に提出)
- 本人確認書類(免許証・マイナンバーカードなど)
Q3:住民票を動かさなかったらどうなる?
A:以下のようなデメリットがあります。
- 保育園・学校手続きでトラブル
- 医療費助成など行政サービスが使えない
- 転居先で選挙権がない
一方で、住宅手当の条件クリアや学区維持には役立つため、ケースバイケースです。
Q4:住民票はオンラインで変更できますか?
A:現在は基本的に市区町村窓口での手続きが必要です。
ただし、マイナンバーカードを使った一部の電子申請や予約サービスを利用できる自治体もあります。
10. まとめ
- 迷ったら「生活の本拠」がどこかを基準に
- 行政サービスを受ける必要があれば「動かす」
- 手当・受験などが関係するなら「動かさない」判断もあり
私は5回の転勤で、主に子どもの保育・教育・医療を優先して住民票を動かしてきました。「どちらが正解」というよりも、「自分たちの生活スタイルに合っているか」が大切です。
今後の転勤ライフが少しでも楽になるよう、この情報を活かしてくださいね!
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