「教科書が変わってから、授業が分からない」。転校して数週間の子どもがそう言い出すと、胸がぎゅっとなりますよね。わが家も3回の転校で、毎回この壁にぶつかりました。
結論から言うと、転校の学習ギャップは教科書対応の通信教育で埋めるのが最短です。引越しても住所変更だけで継続でき、新しい土地で塾を探し直す必要もありません。
この記事では、勉強がズレる理由から、進研ゼミ・スマイルゼミ・Z会・すららの比較、通信教育が向かない家庭のパターンまでまとめました。読み終わるころには、わが子に合う選択肢が絞れているはずです。
転校で勉強がズレる理由は「教科書会社」と「進度」の2つ

転校先で授業が分からなくなる原因は、子どもの能力ではありません。教科書を作る会社が地域ごとに違うことと、同じ教科書でも進む速さが学校ごとに違うこと。この2つです。
教科書は市区町村の教育委員会などが地域ごとに採択します。だから県境をまたぐ転勤では、算数も国語も別の会社の教科書に変わることが珍しくありません。会社が変わると、単元の並び順が変わります。前の学校で「まだ習っていない単元」が、新しい学校では「もう終わった単元」になるわけです。
もうひとつが進度のズレ。同じ教科書でも、行事の多い学校とそうでない学校では、学期末の到達点が1か月分ずれることがあります。この2つが重なると、子どもは「授業中ずっと置いていかれる時間」を過ごすことになります。
わが家の場合、娘の算数で「大きい数」の単元が丸ごと抜けていました。本人は「自分だけできない」と思い込み、手を挙げなくなった。抜けていたのはたった1単元なのに、自信の落ち込みはそれ以上でした。ズレは早く見つけて早く埋める。これに尽きます。
ズレの見つけ方と学校への伝え方は、転校で勉強についていけない?教科書の違いと学習進度のズレ対策で詳しくまとめています。まず穴の場所を特定したい方はこちらからどうぞ。
転勤族に通信教育が向く理由は「継続・教科書準拠・塾いらず」の3つ

学習ギャップを埋める手段は塾・家庭教師・通信教育とありますが、転勤族には通信教育が一番かみ合います。費用面から見ると、文部科学省の調査では、公立小学校の補助学習費(学習塾や通信教育・家庭教師などにかかる費用)は平均で年約11万2千円。月1万円近い計算です(出典: 文部科学省「令和5年度子供の学習費調査(結果の概要)」)。塾は引越しのたびに入塾金や教材費を払い直しますが、通信教育は住所変更だけ。転勤のたびの「リセット費用」がかからないのが構造的な違いです。転勤族に向く理由は大きく3つあります。
理由1:引越しても住所変更だけで続けられる
塾は引越しのたびにリセットされます。体験授業を回って、面談して、入塾金を払い直して——この探し直しに1〜2か月かかります。通信教育なら手続きは住所変更のみ。引越しの翌日から、同じ教材・同じペースで再開できます。環境が全部変わる転校期に「勉強だけは変わらない」ことは、子どもの安心材料にもなります。
理由2:教科書準拠だから転校先の授業に合わせ直せる
進研ゼミやスマイルゼミは、登録した学校の教科書に合わせて教材が届く「教科書準拠」型です。転校したら新しい学校の教科書会社に設定を変えるだけで、教材が授業に追随してくれます。教科書のズレというギャップの正体に、そのまま効く仕組みです。
理由3:新しい土地で塾を探さなくていい
知らない土地での塾探しは、情報がなくて骨が折れます。口コミを聞けるママ友もまだいません。通信教育ならその手間がゼロ。浮いた時間を、荷ほどきや子どもの心のケアに回せます。転校期の心のケアは勉強と同じくらい大事です。
主要4サービス比較|授業に合わせるなら準拠型、穴埋めなら無学年式

転勤族目線で主要4サービスを比べました。選び方の軸は「教科書に合わせたいか」「学年をさかのぼりたいか」の2つです。
| サービス | 教科書対応 | スタイル | 転校時の継続性 |
|---|---|---|---|
| 進研ゼミ小学講座 | 教科書準拠 | タブレット or 紙 | 住所と教科書設定の変更で継続。教材が転校先の授業に追随 |
| スマイルゼミ | 教科書準拠 | タブレット専用 | タブレット1台で完結し、引越しの荷物が増えない。設定変更で継続 |
| Z会 | 独自カリキュラム中心 | タブレット or 紙 | 教科書に依存しない設計のため、転校の影響を受けにくい |
| すらら | 無学年式(学年の枠なし) | PC・タブレット | 小1〜中3の範囲を行き来でき、転校で抜けた単元をさかのぼって埋められる |
出典: 各社公式サイト(進研ゼミ小学講座・スマイルゼミ・Z会・すらら、)の掲載情報をもとに当サイトで整理。受講料金は学年・支払い方法で変わり、改定もあるため、この記事では金額を載せていません。最新の料金は各社公式サイトで確認してください。
進研ゼミ小学講座|教科書準拠×続けやすさの定番
教科書準拠で、転校時は教科書設定の変更だけで教材が切り替わります。料金も4社の中で低めの水準。赤ペン先生の添削など「続けさせる仕掛け」が多く、初めての通信教育に向きます。紙とタブレットを選べるのも転勤族にはありがたい点です。
スマイルゼミ|タブレット1台で完結、荷物が増えない
専用タブレット1台に全教材が入るので、引越しの荷物が増えません。紙教材の山を段ボールに詰めた経験がある方には、これだけで刺さるはずです。自動丸つけなので、親が荷ほどきに追われる時期でも学習が回ります。初期費用としてタブレット代がかかる点は要注意。
Z会|教科書より一段上を目指す家庭向け
Z会は教科書準拠というより、思考力を鍛える独自カリキュラムが軸です。授業の穴埋めより「転校しても学力の軸を家庭学習に置きたい」家庭に合います。中学受験コースもあるので、受験を視野に入れるなら候補になります。料金は4社の中で高めです。
すらら|無学年式で「習っていない単元」までさかのぼれる
すららは学年の枠がない無学年式。小1から中3までの範囲を行き来できるので、転校で生じた「習っていない単元」をピンポイントでさかのぼって埋められます。ギャップがすでに大きい子、勉強への苦手意識が出てしまった子には、4社の中で一番向いています。
まずは無料の資料請求・体験から
4社とも無料の資料請求やお試し体験があります。子どもとの相性は試してみないと分からないので、2社くらい並行して比べるのがおすすめです。
通信教育が向かない家庭もある|1人で机に向かえない子は別の手を

正直に書くと、通信教育は万能ではありません。教材は届くのに手つかずのまま溜まる——これは通信教育でいちばん多い失敗です。1人で机に向かう習慣がまだない子には、先生が横につく塾や家庭教師のほうが結果につながります。
目安は「親が声をかけなくても週3回、15分机に向かえるか」。まだ難しい子は、通信教育の低学年向け講座で習慣づくりから入るか、対面型を選んでください。向かないものを無理に続けるより、合う手段に早く切り替えるほうが安上がりです。
中学受験を視野に入れた塾選びで迷っている方は、転勤族の中学受験どうする?【前編】もあわせて読んでみてください。転勤族が塾とどう付き合うか、わが家の実体験を書いています。
よくある質問
通信教育は何年生から必要ですか?
転校の予定があるなら、低学年からでも意味があります。学習内容がまだやさしい小1〜小2のうちに家庭学習の習慣を作っておくと、転校でズレが出たときに自力で埋められる子になります。逆に、転校予定がなく学校の勉強に困っていないなら、慌てて始める必要はありません。
転校の何か月前に始めるのがいいですか?
理想は転校の2〜3か月前です。新しい環境と新しい教材が同時に始まると、子どもの負担が倍になります。先に教材へ慣れておけば、転校後は「いつもの勉強」が続くだけ。内示が出てからでも、入会手続き自体は1〜2週間で間に合います。転校のタイミングの決め方も参考にしてください。
紙とタブレット、どっちがいいですか?
転勤族には荷物が増えないタブレットが基本おすすめです。引越しのたびに教材の山を段ボールへ詰める手間が消えますし、丸つけも自動なので親の負担が軽くなります。ただし、書いて覚えるのが得意な子や、画面だと遊んでしまう子は紙が向きます。進研ゼミやZ会は途中でスタイル変更できるので、迷ったら変更できるサービスを選ぶと安全です。
なお、転校そのものの不安ケアや小学校選びは、転勤族の小学校選び完全ガイドにまとめています。勉強のギャップ対策とセットで準備すると、転校がぐっと楽になります。
参考・根拠資料
- 文部科学省「教科書制度の概要」(教科書が地域ごとに採択される仕組み)
- 進研ゼミ小学講座 受講費(公式)
- Z会 小学生タブレットコース 受講会費(公式)
- すらら 利用料金(公式)


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